やまがたレトロ館ペン画とは

結城泰作(大正11年〜平成17年)は、代々左官職人の家に生まれ、明治、大正時代には蔵や外壁の装飾、コンクリート建築などを手がけました。幼い頃より手先が器用で、美術学校を出た訳でもないのに、絵や彫刻が得意でした 。

山形工業学校卒業後は家業を継ぎましたが、晩年仕事を退いてから山形県内にある明治・大正・昭和初期の建物をペンで描き始めました。79歳の時、病気により指先が思うように動かせず、リハビリになることを願って二女にすすめられたことが切っ掛けです。古い建物が劣化や、都市計画等により次々と姿を消す中、記憶は鮮明で、一枚の写真から詳細に描くことができました。
当初山形レトロ館絵地図を作成するために、小さな絵を24点描いたことが始まりで、その後は山形歴史たてもの研究会が撮影した写真を基に、山形県内の建物約360点を遺して平成17年、83歳で亡くなりました。

ペン画は、黒一色で緻密に描かれています。長年建築図面をかく仕事をしてきたことから、定規を使わずにフリーハンドで描いたことは、職人技と言えます。また、建物だけではなく、記憶の中にある植物や鳥などをあしらっていることが、見る人の心をなごませ、懐かしい世界をつくりだしています。