展示情報など
レトロ館ペン画にも描かれた、山形県山形市に位置する「旧山寺ホテル」が山形県の登録有形文化財に登録されました。

山形新聞 2015/07/18
県内の登録有形文化財 旧山寺ホテルや善宝寺など新たに4市町計11件

文化審査会(宮田亮平会長)が17日に開かれ、本県からは旧山寺ホテル(山形市)、旧長谷川製糸所(上山市)、善宝寺(鶴岡市)、龍頭寺(遊佐町)の4市町計11件を新たに登録有形文化財(建造物)にするよう答申があった。答申通り告示されれば、県内の登録件数は13市町村の161件となる。

旧山寺ホテルは立石寺前の川岸に建ち、明治後期の建設。木造2階建てで、JR仙山線がなかった開業当時はバスなどがホテル北側の中庭に発着し、山寺地区の駅前広場としての役割も担った。唐破風(からはふ)造りの玄関などが歴史的な趣を醸し出している。

旧長谷川製糸所は住宅街に位置し、土蔵造り3階建て繭蔵と、その東に接続する石造りの平屋建ての糸蔵、荷造り場が登録の見込みとなった。繭蔵と荷造り場は1926(昭和11)年の建造。本件の近代化を支えた産業遺産となっている。

善宝寺は天保から明治時代に建てられた龍王殿、五百羅漢堂、龍華庵、五重の塔、山門、総門が対象。船乗りや漁師から航海安全などの信仰を集め、五百羅漢堂は内部に仏壇を設けて多数の羅漢像を祭る。総門は立体的な彫刻で装飾されるなど、要所に高い技術力が示されている。

龍頭堂は本堂、開山堂、観音堂が登録される見通し。本堂は1844(天保15)年、開山堂は1933(昭和8)年、観音堂は1875(明治8)年に建てられた。開山堂、観音堂は寺の景観を形成する重要な役割を果たし、鳥海山の信仰の様子を今に伝える。

関係者の喜びもひとしおで、旧山寺ホテルの所有者・武田ちよ江さん(78)は「先祖代々、受け継いできた。これからも山寺の観光振興に役立てたい」。旧長谷川製糸所の資料などを展示する公益財団法人蟹仙洞代表理事の長谷川浩一さん(76)は「おととしから昨年にかけて修復事業をしており、製糸工場や養蚕関連資料の収蔵庫として活用していきたい」と話した。

善宝寺の五十嵐卓三住職(84)は「善宝寺の歴史的、文化的景観に誇りを持っており、文化財に選んでもらったことは大変ありがたく感じる」。龍頭寺の多次見弘賢重職(61)は「檀家や地域住民の理解、歴代の住職の努力のおかげ」と笑顔で語った。